京都府城陽市立寺田南小学校 夏期教員研修「学校教育に活かすアンガーマネジメント ーアンガーマネジメント授業導入に向けてー」 2019年8月22日
記事カテゴリ:アンガーマネジメント
2019年8月22日㈭、
京都府城陽市立寺田南小学校にて、教員を対象にアンガーマネジメントの研修を行いました。
前日の中学校での研修と同じく、アンガーマネジメントを学ぶには1時間という短い時間でしたが、講師自身の体験や厳選したワークで、アンガーマネジメントの奥深さについてはお伝えできたのではないかと思います。
質疑では、怒りを抱えた子ども、特に怒りを内に向けてだすタイプの子どもに対する具体的な対応について質問があり、具体的な声かけの仕方や接する際の留意点等についてお伝えさせて頂きました。
「不完全燃焼」「もっと聞きたい」という声があちこちから聴かれ、研修後、講師がアンガーマネジメントを学んだAMJの研修について調べている先生もおられました。こちらの小学校でも、子どもたちにもアンガーマネジメントの授業をしていくことになりました。
※アンガーマネジメントジャパン(AMJ)についてはこちら↓
詳細はこちら
今年の夏期教員研修を振り返ると、1中学校3小学校にて、アンガーマネジメントをお伝えさせて頂きました。こうしてアンガーマネジメントを伝えられることは、怒りと向き合ってきた私にとって、非常に感慨深いものがあります。私がアンガーマネジメントの講師ライセンスをとったのも、私にとって怒りが大切な感情であり、アンガーマネジメントが表面的な形で広まって欲しくないという強い思いがありました。
私は過去のトラウマや双子ゆえの苦しみを抱えていますが、自分の怒りや悲しみ、そして苦しみに気づいたのは、臨床心理学を学びだした大学生の頃でした。次第に自分が抱えていたものに深く気づくようになっていきました。自分のなかに母親と触れ合った記憶が全くでてこないことに気づいたときは、涙があふれてとまりませんでした。
母親はアルコール依存症という病気でしたが、私の母のイメージは、うす暗い台所で一人遠くをみつめて煙草を吸い、険しい表情をしては時に静かに涙を流している姿でした。また、私にとって母は自分の気持ちを相談して良い人なのかわからない存在でした。
ある時、夫婦喧嘩がずっと絶えなかったので、母のもとに行って自分の考えを伝えてみたところ、母が激昂して父への怒りを私にぶつけてきました。私は母の怒りの大きさにびっくりして、それだけに母にとって父が大事なんだと思いました。そしてそのとき、はじめて本当の母に出会ったような気がしました。
そんな母のことで忘れられない場面があります。
祖母(母の母親)の葬式のとき、母の兄弟がみんな泣いているなかで、母だけが一滴も涙を流さず、祖母を見つめていたのです。私は「この人は泣けないのだ」「自分の母を見送るときに泣けないという苦しみがこの世にはあるのか」と思いました。「この世にはどうしようもないくらいの深い悲しみがある」と感じた瞬間でした。
母の葬式のとき、私は苦しむ母をどうしようもできなかったことに無力感を感じていました。けれども、遺影に使う母の写真を探していたら、すごく素敵な笑顔で写っている母の写真がでてきました。「こんな笑顔ができるんだ」と驚きました。そして、葬儀には母の友人が来てくれ、母の友人が「これは私たちが遊びにいったときの写真なのよ」と教えてくれました。母の友人に救われた想いがしたと同時に、家族としてもっとできたことがあったのだろうなと思いました。
私が怒りや悲しみを考えるとき、自然と出てくる歌があります。
とぎすまされた 刃の美しい
そのきっさきによく似た そなたの横顔
悲しみと怒りにひそむ
まことの心を知るは 森の精
もののけ達だけ もののけ達だけ
歌手 : 米 良 美 一
作詞 : 宮 崎 駿
作曲 : 久 石 譲
怒りの世界は奥深く、とても大切な感情です。アンガーマネジメントが表面的な形で広まらないように、努力していきたいと思います。
※画像出典:詳細はこちら
てだのふあカウンセリングルーム
2019-08-24京都府城陽市立寺田南小学校 夏期教員研修「学校教育に活かすアンガーマネジメント ーアンガーマネジメント授業導入に向けてー」 2019年8月22日