自我状態療法とグリーフケアー内なる故人との対話ー
記事カテゴリ:心理カウンセリング
この記事では「グリーフケア」の方法について記載しています。
グリーフケアとは、「大切な人との死別など、喪失を経験した人が、その悲しみや喪失感、心の痛みから回復するために必要とされる支援、心のケアのこと」を言います。
通常は、悲嘆への寄り添い、傾聴をはじめとした支援によって、また、遺族会への参加など、似たような喪失体験をもった方との交流(ピアサポート)などをとおして行われます。
一方で、自死や事件事故といった突然死、悲惨な亡くなり方など、喪失体験の内容によっては、傾聴と対話による言語的なケアではグリーフケアがうまくすすまない場合があります。
私自身、東日本大震災の翌年に、母親を突然死で亡くしていますが、母の亡くなり方もあり、グリーフが時間がかかりました。傾聴と対話を中心とした言語的なケアもうけ、もちろんそれで支えられましたが、自我状態療法をとりいれたグリーフケアをうけたところ、非常に素晴らしかったので、当カウンセリングルームに来られた方に対して、希望される方には、自我状態療法によるグリーフワークを提供しています。
手続きはいたってシンプルで、あなたの心のなかに住んでいる大切な故人と交流し、身体感覚をともないながら、大切な故人の想いや欲求を知り、大切な故人をその人が望む場所につれていってあげるというワークです。
私の母親の場合、母はアルコール依存症でしたので、実家の2階で、ビール缶100缶に囲まれて、一人で亡くなっていましたが、母に「どこに連れていってほしい?」と尋ねると、「この家がいい」「リビングがいい」と言ってくれました。私はその言葉にとても納得がいって、「そうだよね。この家がいいよね。リビングがいいよね」と、亡くなった母の真意が知れたように感じて、とてもうれしくなりました。そして、母の亡骸をリビングに移して、亡き母(のイメージ)と一緒に過ごしました。
自我状態療法をつかったグリーフワークは、イメージをつかったワークです。
みなさんのなかには、たとえば、「悲惨な亡くなり方をした事実はかわらないじゃないか」と思う人もいるかもしれません。
しかし、人は”事実”を生きているわけではありません。人は事実から派生した”主観的現実”を生きています。”主観的現実”とはイメージのことです。この”主観的現実”は変容させることが可能です。あなたの”主観的現実(世界)”が変われば、あなたの人生は変わります。
けれども、この回復の過程をあゆむには、あなたがその変容を受け入れる準備が整う必要があります。また、大切な故人に会いに行く過程や、大切な個人と交流する過程には、さまざまな感情の波が押し寄せてくるでしょう。その波に、一人では押しつぶされそうに感じ、不安や怖さを感じることもあります。
ですが、心理カウンセリング(自我状態療法によるグリーフケア)では、あなたは一人ではありません。セラピストともに歩みます。
もしあなたが、大切な故人の供養を十分に遂げ、故人との繋がりをとりもどし、大切な故人とともに、心豊かに、やさしく生きていきたいと思われるなら、1度、自我状態療法によるグリーフワークを試してみませんか。
※初回のカウンセリングでは、自我状態療法によるグリーフワークは行いません。まずは、状況や想いなどを丁寧にきかせていただき、自我状態療法によるグリーフワークを行うために必要な知識を身につけてもらうなど準備を行ってから、グリーフワークを行います。
てだのふあカウンセリングルーム
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