アダルトチルドレン(AC)の方へ ー アダルトチルドレン(AC)のチェックリストと精神疾患 ー
記事カテゴリ:心理カウンセリング
今回は、私の強い関心分野である、アダルトチルドレン(AC)に該当する人の生きにくさ、生き方、治療(カウンセリング内容)について、3回に分けて説明していきます。参考になれば幸いです。
「アダルトチルドレン(以下AC)」は、昔は(狭義では)、「アルコール依存症の親がいる家庭」で育った人をさしていましたが、現在では、「機能不全家庭」で育った人のことを指します。「機能不全家庭」とは、「アルコール依存症の親がいる家庭」「両親の不和、親の精神疾患、DV、虐待などの家庭問題を持つ家庭」を言います。
ACは、病名(診断名)ではありません。現在では、定義が曖昧になってしまったため、ACという考えを嫌う専門家もいます。ですが、私自身は、ACは一部の人の生きにくさや特徴を端的に表した分かり易い言葉だと思います。
ここで、ACに当てはまる人の特徴について、36項目を挙げています。参考にしてください。
1.日常の基本的な、自身の世話ができないことが多い
2.衝動的に行動してしまいやすい
3.浪費癖がある
4.攻撃的な行動や反社会的な行動をとる事が多い
5.不安やイライラが強い
6.感情の上下が激しい。感情の波が大きい
7.いじめられやすい
8.相手の言動や行動に敏感で、相手が自分を良く思っていないと疑い、防衛的になりやすい
9.相手の顔色に敏感で、顔色を伺ってしまう
10.相手の期待を察知することに長け、相手の期待に沿わなければいけないと思いやすい
11.反射的に、相手にとってよい返答や行動をとってしまう
12.相手にノーが言いにくい
13.もめ事が嫌で、自分の権利や主張を我慢しやすい
14.自分の考えや感情、欲求を素直に(安心して)表現できない
15.後になって、腹が立ったり、悲しくなったりすることが多い
16.自分でも自分の気持ちがよく分からない
17.何が正常で(正しくて)、何が異常なのか(おかしいのか)が分からない
18.怒鳴り声や物音に過敏で過度に萎縮したり、おどおどしてしまう。正常に考えられなくなる
19.先生などの権威的な人の前になると、とてもびくびくする
20.ちょっとしたことでも、自信を失い、否定的に考えてしまいやすい
21.失敗をすると、とてもびくびくしてしまう
22.他者からの評価に気持ちが大きく左右されやすい
23.他人から認められたいという気持ちが強い
24.自分を必要とする人がいないと不安が強くなる
25.気分にムラがある
26.常に責任感が強すぎるか、無責任かのどちらかである
27.物事を最初から最後までやり遂げることが難しい
28.完璧を求めるあまり、強迫的になりやすい
29.他人に批判的である
30.楽しむことがなかなかできない
31.「真面目」とよく言われる
32.いつも空しさや寂しさを感じる
33.他人からするととても辛い事でも、辛いと感じない
34.自分は他人と"何か違う"と感じる
35.人と親密になることが難しい
36.どうせ自分は愛されない、愛される価値がないと思う
いかがでしたか?誰にでも当てはまるような項目もありますので、一概には言えませんが、当てはまる項目が多いほど、あなたの生きにくさや悩みがACからきている可能性が高いと言えるでしょう。
ACに当てはまる人には、うつ病や不安障害など、精神的な抑うつ状態が多く見られます。人やお酒など、何かに依存しやすく、自傷行為も多く見られます。過去のショッキングな体験が勝手に思い起こされてしまう「フラッシュバック」や、悪夢をみる、といった症状もあり、概して、心身ともに不調を抱えやすいです。対人関係では、「共依存」に陥りやすいことも特徴です。
このように、ACにあてはまる人は、様々な症状に見舞われやすいです。そのため、精神科や心療内科を受診している人も少なくありません。しかし、薬では一時的には楽になっても、生きにくさの改善、根本的な治療(改善)には至らないでしょう。
てだのふあカウンセリングルーム
2017-05-07アダルトチルドレン(AC)の方へ ー アダルトチルドレン(AC)のチェックリストと精神疾患 ー