アンガーマネジメントの授業から見えてくる子どもたちの心
記事カテゴリ:アンガーマネジメント
『アンガーマネジメントの授業から見えてくる子どもたちの心』
R2年度に予定していたすべてのアンガーマネジメントの授業を終えました。
R2年度はコロナで授業時数が少なかったにも関わらず、先生方からはアンガーマネジメント(ストレスマネジメント)の授業依頼をたくさんいただき、小学2年生~中学2年生まで、計33回の授業を行いました。。
子どもの発達段階によって、学びはそれぞれに違ってきますが、子どもたちの感想からみえてきたのは、多くの子どもたちが自分の怒りを鎮める方法や気持ちを伝える方法を教えてほしいと強く思っているということでした。普段やんちゃして喧嘩ばかりしている子どもでも、実は自分でも自分をなんとかしたいと思っているのです。でも、子どもたちは自分をなんとかする方法を知らないのですね。
私はアンガーマネジメントが怒りを抑圧させる手法として学校や社会で活用されないように、「アンガーマネジメントとは、怒りを出すための知識や方法のこと」と、怒りを表現することを強調して、子どもたちに伝えるようにしています。
また、私は子どもたちが「ぼくはこうしよう」「私はこうしよう」と主体的に選択できるような伝え方をしています。それは、怒りを表現したほうがいいのか、怒りをおさえたほうがいいのかは、その人の状況によって異なるからです。
そして、怒りを抱えた子どもたちの心に寄り添った授業を行えるように心がけています。
以下には最近行った小学5年生の授業で子どもたちからもらった感想を、一部抜粋して掲載しています。きっと子どもたちの感想から、みなさんも感じとられるものがあるのではないでしょうか。
感想:
・ 今まで、自分の怒りについて考えたことがなかったから、改めて考えることができて良かったです。考えても、なかなか、自分のことを書きだすのは難しかったです。
・人は怒るということがわかり、とてもべんきょうになった。みんな、いろいろなかんじょうがあるとわかった。
・アンガーマネジメントという言葉をはじめてきいて、意味がとても分かりやすかった。イライラの正体てきな物は悔しいなどの気持ちがあるというのが、よく理解できた。
・「アンガーマネジメント」という言葉は聞いたことがあるけれど、意味は知らなかったので、意味が知れてよかった。
・ とてもむずかしかったけど、とても参考になりました。これで少しは怒りをおさえられるきがします。
・ 今までけんかをしていた時、とてもイライラしていたけど、そのイライラの奥にあることを知れたから、とても良かったです。
・ イライラの奥にはもやもやした悲しいとかの一次感情があることが分かりました。私はよく無力感を感じて、自分にイライラしている気がします。
・ 感情の表し方が分からないから、表し方について知りたいと思いました。
・ こんどからは、ケンカをしたときは、授業を思い出してみたいと思った。
・ 分かった事は、怒りは絶対だめということではなく、まずは「怒りをコントロールする」という事が分かりました。ぼくもおこりっぽいので、イライラや怒りをコントロールするのを目指したいです。
・ 自分が悪くなくて、相手が悪くても怒りをコントロールして怒らないようにしないといけないと思っていたけど、怒ることは悪いことじゃなくて、逆に「怒ってもいい」と言ってくれて、心に残っている嫌なことがなくなった。
・ すぐに「だまれとかうるさい!」とかすぐに言わずに、まず言葉で伝えられるようにしたいと思いました。いろんな気持ちからイライラや怒りが生まれることも覚えておきたいです。
・ よくあるイライラについて、深く考えると一次感情がイライラのおくにあるのだとわかった。そして、これからは、イライラしても他人や自分にあたるのはなくそうと思った。いままではやられたらやり返してけんかしてしまっていたから、やり返さないようにしたい。
・ 自分が怒っていても、違う人から見たら「何で怒ってるの?」と思われているかもしれないし、自分がそう思っていても、友達は怒っているかもしれないんだと思いました。
・ 授業をしているあいだでも、気持ちをおちつかせるのがたいせつだと思いました。
・ あらためて考えてみると、「あのときそんなに怒らなくてよかったな」とか思うことが多かった。
・ イライラ以外にも孤独や不安も自分の気持ちの中にあるということが分かった。
・ ただイライラするだけじゃなくて、自分はどれくらいイライラしているかを考えようと思いました。
・ 自分の怒りをとめることはできないと思った。でも、がんばって自分の怒りをおさえようと思った。がんばって一次感情を伝えられるように努力したい。
・ ささいなことですぐイライラして、暴力、悪口などを言うから、そこをうまくコントロールしていけるようにがんばりたいと思いました。それでも、なんでもケンカ腰に言うてしまうことがあるから、そこも気をつけたいと思いました。
・ イライラしたときの感情をよく考えてみようと思いました。もやもやしていることに気づけず、イライラしてしまっていることがあるかもしれないことを知りました。
・ いかりの静め方について、どうすればあいてに伝わるのかなどが、とてもよく分かって、家でも実現させてみようと思ったし、深呼吸をしたら心がかるくなるのは、本当だった。
・ 自分でイライラをとめれるようにする。
・ 私は心の救急箱をじっせんしようと思います。イライラの時に、気持ちを言葉で伝えたいと思う。まとめがとても分かりやすかったです。
・イライラしたときにできることを自分で見つけられたので、これからはできることをして、気持ちを落ち着かせたいです。
・ 前回も今回もとても説明が分かりやすくてとてもなっとくできた。自分の伝えたい事を他人をきずつけずに言うのは大切なことだなと思った。また自分をしっかり知ることも大切なんだと思った。
・ 今回と前回の話のおかげで、ちょっとずつイライラをコントロールできるようになったらいいなと思います。またこんどなやみごとがあったら、スクールカウンセリングをしてもらいにいきます。
・ 自分の気持ちを言葉にして伝えるのは、大切なことなんだなと思った。
・ やりかたをおしえてもらってよかった。つぎからつかおうと思う。いきなりじっせんしてみた。
・ アンガーマネジメントについてよくわかった。自分がいつも何にたいして「いやだな」とか思う時は、どんな時か考えられた。
・ 自分がイライラしたときに気持ちを伝えるのは、むずかしいと思いました。
・ 前よりかは心を落ちつけれそう!学校や家での心の落ちつかせる方法を知った。
・ ま法の言葉を考えておくことで、心が落ち着くことが分かりました。いざとなればできるか分からないけど、いしきはしようと思いました。
・ イライラしたときのたいしょほうをあらためていっぱいあった。人によっておちつきかたがちがうことがわかった。
・ 気持ちの落ちつけ方が分かった。ぜったいにやりたいです。
・ 友達にそうだんしたり、友達の話を聞いたりする!!イライラしたらおちつく!!自分にあったストレスはっさんをみつける!!
・ いかりをコントロールするのはむずかしいと思った。
まったく言葉ではつたえていないから、つたえてみようと思った。
・ ぼくはどうしたらイライラを出せるかと思ってましたが、考えてみると、たくさんの方法があるということを知れました。なので、次からは自分でいらいらを出せるようにしようと思いました。
・ 人と人の関係の中でいろいろべんきょうできたので、これを使って人間せいを良くしたいと思います。
これからは、自分の感情を伝えられるようにしようと思いました。しっかり言葉で伝えたいと思いました。
・ 説明とか、分かりやすくて、理解できた。これをきに、大人になっても、がんばって気をつけたいと思います。
・ ふだん自分の気持ちをふり返ることがないから、自分の気持ちを知れるいい機会になった。
・ とても自分におきかえて、考えることが、きょうかんすることがたくさんありました。わたしはなにかしらすぐおこることがたくさんあるので、おこってしまったときは、この習ったことをめちゃくちゃいかしたいです。
・ イライラした時に、落ち着く方法などが分かった。授業中に出来ること、休み時間に出来ることなど、じっさいにやってみたいと思いました。
・ 「一次感情」をその場で確かめることが大切だと分りました。「Iメッセージ」を使って気持ちを伝えようと思いました。イライラした時、気持ちをおちつかせることができるようになりたいです。
・ 自分の「こころの救急箱」は、時には冷静に戻れない時もあるかもしれないけれど、その気持ちをおさえることも大切だと言うことが分かりました。これからいらついたときには、自分の「こころの救急箱」をつくることも大切だと分りました。
・ この授業はイライラでこまっているひととか、むかついているときの行動のしかたをおしえてくれるのでいいと思いました。
・ とてもおもしろくて大切だと思える授業だった。
・ 話の内容にとても共感できた。なんでイライラしているのかがとてもよく分かった。イライラする時、できごとはみんなちがうということが分かったです。
・ 図や絵があって、とてもわかりやすかったです。最高な時間でした。また教えてほしいです。お母さんやお父さんにも今日先生に言われたことを伝えたいです。
・ 私にも色々な一次感情があったし、一次感情は人それぞれなんだなと思いました。私はこれから自分の一次感情を、先生や家の人に伝えていきたいと思いました。私の1次感情が伝わらなかったら、もうちょっとくわしく一次感情を伝えて、私の一次感情をこれからもっと知ってもらいたいと思いました。授業楽しかったです。
・ 質問:きらわれたくない友達に怒りを伝えるのはどうしたらいいですか?
・ 相談:かげで「うざい」っていわれています。どうしたらいいと思いますか?
・ 質問:親にえらそうにいわないためには、どうしたらいいですか。
上記の質問には後日、プリントを配布して、どうしたらいいかを子どもたちに伝えました。担任の先生方によると、子どもたちは一生懸命に読んでくれていたようです。
終わりに
小学5年生の時期は、友達関係や親子関係がつよく変化しはじめる時期です。ですから、この時期に親子ともにストレスマネジメントかつコミュニケーションスキルともいえるアンガーマネジメントを学んでおくことは、とても有益なように思います。
てだのふあカウンセリングルーム
2021-03-27アンガーマネジメントの授業から見えてくる子どもたちの心
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