小学3年生対象 アンガーマネジメント授業ー「怒りの感情の正体」について学ぶー
記事カテゴリ:アンガーマネジメント
京都府下にある小学校で、3年生のこどもたちを対象に、
アンガーマネジメントの授業を行いました。子どもたちは怒りの感情の正体である「1次感情」について学びました。
アンガーマネジメントでは、怒りを「2次感情」と呼び、怒りの感情の奥には、不安や悲しみをはじめ、心配、焦り、さびしさ、傷つき、恐怖、孤独感、期待などの多くの気持ちがあり、それらの気持ちを「1次感情」と呼びます。
そして、イライラする出来事が生じたときに、「死ね!」「しばくぞ!」といった怒りの言葉で気持ちを伝えるのではなく、「私は悲しかったです」「私は傷つきました」というように、1次感情を伝えることが重要だと考えます。
本来小学生3年生の発達段階では、1次感情について理解することは難しいのですが、教材やことばを分かりやすく工夫し、子どもたちの興味関心をうまく活用することで、1次感情について理解することにチャレンジしました。
こどもたちは、まずイライラする出来事について、自分の怒りの大きさについて振り返った後、怒り以外の気持ちを皆で探し出すワークを行い、その後、1次感情について学びました。
この学年の子どもたちは、2年生の時に、「心の救急箱」と「気持ちの伝え方」について学んでいましたので、今回で3回目の授業でした。
子どもたちの好奇心は本当に素敵で、「1次感情」という言葉は難しいのですが、多くの子どもたちが「1次感情」という言葉について学んでくれたように思います。
授業後には、担任の先生から早速子どもがイライラした自分の気持ちを一次感情を使って表現していたことを報告してくれました。非常に嬉しく思いました。
また、ある保護者とのカウンセリングでは、『心の救急箱』の授業を受けた子どもが、お母さんがイライラしていたときにお母さんのもとにやってきて、「「お母さん!深呼吸だよ!」と言ってきたので驚いた(笑)」と教えてくれました。子どもたちの学ぶ力は本当に素晴らしいですね。
この小学校では、今年度アンガーマネジメントの授業展開をしています。11月には、4年生で、3週連続のアンガーマネジメントの授業を予定しています。
今後、教員の先生方や一般の方を対象にしたアンガーマネジメントのセミナーを実施してまいりますので、ご関心のある方は是非ご参加ください。
以下、こどもたちの感想を一部紹介して、本記事を終えたいと思います。
・イライラしたら1じかんじょうをつかったらいい!
・ぼくは今日一次感情という怒る正体が分かってうれしかったです。あしたからつかってみたいです。
・いちじかんじょうということばをおぼえました。
・怒りの正体がわかった(正体は・・・・1次感じょう)。1次感じょうを伝えることが大切(そのほかの言葉)。怒りの言葉は使わない。
・いろいろなことをまなんで、そのときどんな気もちか、いま分かった。
・きょう、アンガーマネジメントのべんきょうをして、ふつうに大声でしぬとゆったらダメとしって、ちゃんときもちをゆわなダメとしった。
・『こころの救急箱』を使ったり、イライラしたときは「1次感情」を使ったらいいと思いました。
・こころのきゅうきゅうばこをおもいだした。
・川住先生に怒りの正体を教えてもらった!1次感情を言葉で伝えるといいと分かった!
・こんどからイライラのことばはなるべくつかわないようにしようかなと思いました。
・いろいろなことがわかってたすかりました。
・「死ね」といわずに、「かなしかった」といえばいい。
・みんなにしっかり気もちをつたえることが大切なんだなと思いました。
・一次かんじょう、二次かんじょうというものがあって、びっくりした。一次かんじょう、二次かんじょうがあるなら、三次かんじょうもあるのだろうか。
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2020-10-18小学3年生対象 アンガーマネジメント授業ー「怒りの感情の正体」について学ぶー
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